わが心のフラッシュマンとアンガーマネジメント

アンガーマネジメント (日経文庫)

アンガーマネジメント (日経文庫)

おおざっぱな結論

  • 『アンガーマネジメント』では、「コアビリーフが脅かされたとき、怒りという感情が生まれる」としているが、『わが心のフラッシュマン』7章で語られているような、物語と関係性の行動モデルとしての「役割」という角度から同じ問題を捉えるはかなり有用かもしれない

それぞれの人が持つ固有の物語

  • 人はそれぞれ固有の物語を持っている。現実世界と物語とのずれが小さいと自我が安定する。ずれが大きいと自我が脅かされる

役割という関係モデル

ある人とまた別のある人の持っている物語が矛盾する場合、そこに衝突が発生する。 「どこまで私はあなたの物語を認め許容できるのか、逆にあなたはどこまで私の物語を認め許容できるのか」という争点に基づき、関係性の再構築が行われる。

私たちは「役割」という名前の、その対象とのあるべき関係性のモデル、テンプレを使って他者との関係を営むが、 初対面の人と会う時は、↑の関係性のモデルがまだ確立されていない。それゆえに居心地が悪い。

人は任意の「役割」を元に自分の振る舞いを、それに対する相手のあるべき振る舞いを模倣する。そうやってコミュニケーションが行われることにより、関係モデルはより強固なものになっていき、お互いに相手の立ち振る舞いを予期しやすくなっていく。

↑のような関係性は「距離感」という言葉に置き換えることもできそう

相手がどんな価値観であるか、相手は自分にどうしたいのか、を言葉にしてみてごらん。
たとえば、今、『課長の価値観』『自分の価値観』『田中さんの価値観』を言葉にしたよね。
付き合い方が明確になってきて、距離が取りやすくなった気がしないかい?
逆にそれがわからないと、どの距離で付き合っていいかわからなくなるから、ぎくしゃくしてしまう

物語が脅かされるとき、人の防衛本能が発生する

  • 人は自分の物語を補強してくれる人を愛し、脅かす人を憎む
  • ↑の状況は、『アンガーマネジメント』においてコアビリーフが脅かされる状況とよく似ている