自分の人生をデザイン(しようと)する

それは「情報」ではない。―無情報爆発時代を生き抜くためのコミュニケーション・デザイン
20代前半の頃からずっと大切にしている言葉があります。

『それは情報ではない』は結構ぶ厚い本で、内容の大半はもう覚えていないのですが初めて終章でこの文章に出会ったときはすごく興奮しました。

ワーマン博士の言うような生き方を実践することは簡単ではないのですがそれでもそういう生き方ができたらいいなーと今でも憧れています。
毎日何をしたいのか?簡単なようで難しい問いです。

■毎日自分のやりたいことをやる

デザインにおける最大の課題は何か、という疑問が、私の講義の出発点であり、 教室で繰り返し学生たちに訴えるテーマでもある。

それは、両親の家や自分自身の家を設計することでも、 美術館の設計や、トースターや本やそのほかのもののデザインをすることでもない。

デザインの最大の課題とは自分の人生をデザインすることだ。
自分の人生をデザインすることで、自分用の反射板を作ることが出来る。
すべての考えやアイディアや独創性を、そこにぶつけて跳ね返らせることができるようになるのだ。
まずは毎日何をして過ごしたいかを決めよう。



エディー・マーフィーの映画で、彼が占い師になって、
人生には七十五回の夏と、七十五回の秋と、七十五回の冬と、七十五回の春しかない
と語る場面があった。私たちには、それぞれ七十五回しかないのだ。
だから、大切に使わなければいけない。
自分の自由になるのは時間だけだからだ。ほかに何があるだろうか。


自分の人生を自由に作り変えることができるとしたら、 考えられる最高の目標は…そしてこれが究極的には成功の尺度となるのだが それは「毎日が楽しくなる」ということではないだろうか。 大抵の人の場合、人生に楽しいものが十分にあるとはいえない。 だから、楽しいことの代わりにお金や権力を集めようとするのだ。


しかし、もしあなたが昼にどんな仕事をし夜に何をしているのか ―普段は何をし週末は何をしているかに関わらず 趣味のコレクションや面白いものを集めるのが生き甲斐だと感じているならば
きっといいビジネスパーソンになれるだろう。
自分が行うすべての事を、自分が本当に興味を持っていることを原動力に してやってみる、あるいは、自分が本当に興味を持っていることに結び付けてみる。
そうすれば、あなたの興味が、すべての行動に影響するようになる。


だから、私は実際に、自分の人生を日々何をして過ごしたいかで測っている。
それは、自分でもある程度はなんとかできるデザインの課題だ。 今日は、どれを選ぼうかと、私たちは毎日の行動を決めることができる。
人生のデザインとは、背広組になるかアーティストになるか決めるといった
レベルの問題ではない。目標とするものが、権力と富と名声なのかどうかを決めることだ。


リチャード・S・ワーマン「それは情報ではない」
インプレスコミュニケーションズ,2001,384P