「ひとつだけお聞きしたいことが・・・」
「なんじゃ?」
「幼少より仏門しか知らぬ故 戦国大名とはいかなるものに…?」
「ふむ、難しい質問だが… ワシもかつて外叔父 伊勢盛時様 いまでいう北条早雲公に 問うたことがある」
「親族と争い 主家を追い 敵国を奪い なにを獲るものぞと」
「…」
「早雲翁曰く なにも獲ぬと・・・・」
「ただ乱世を生くるのみ と・・・」
「それだけだ」
「…乱世に生くるとは?」
「ほう 仏門にいながら 戦国大名にも 興味があるかね」
「滅相も つい禅問答の癖で・・・・」
「幼少のワシに 解りやすく こうも仰った」
「乱世とは 果てるまで命を燃やす 遊び場であると」