「天才!-成功する人々の法則」読了

マルコム・グラッドウェル「天才!」を読了したんですが、色々と考えさせられる事が多かったです。個人の成功の要因、あるいは失敗の原因は、その人が生まれた時代や、どの国の人間として生まれたのか、両親の資質、あるいは単純に誕生月など、個人の努力ではいかんともしがたい要素に左右される面が大きい、というのが一貫した論調でした。巻末で勝間さんが書かれているように、現代の若者の貧困問題あるいは格差社会を考えるときに本書は有益な判断材料を提供しているように思いました。


8章で、数学の問題を解けないと諦めるまでに要する時間の長さと数学の成績は比例する、みたいな事が書かれていましたが、仕事における問題解決も同様のことがいえるんじゃないかと思いました。極論を言えば、その問題を考えた時間と問題に対する理解度は比例するので、長時間をその問題に割けば割くほど、能力は上がっていくという事だと思います。


2章と8章の帰結は要するに、ある分野で成功したかったらできるだけ沢山の時間をその分野での努力に費やせ(1日8時間を毎日続けたら3年半で累計1万時間に到達する!)という事だと思います。それが可能なのは限られた裕福な人間に限られる、また、そういった生き方をする事で犠牲になることも多いという現実を踏まえた上で、だからどうするの?という事考えさせられた一冊でした。


天才!  成功する人々の法則

天才! 成功する人々の法則