すごく良かった

最果てのパラディンI 死者の街の少年 (オーバーラップ文庫)
ハイファンタジーの雰囲気がする作品です。
序文を読んで、なぜかゲド戦記を思い出しました。
ロードス島戦記とか、久美沙織さんのドラゴンクエストのノベライズなども思い出したり。


衣食住が大事ということをマリーが語りますが、
これは本当にそうなんでしょうね。
ちゃんと生きていくための確固とした技術なんだろうなと思いました。
自分は疎かにしがちですが。

成人の儀式で神に対する誓いを立てるくだりも面白いですね。
これは自己成就的予言に近い気がします。
自分は何を自分に誓っているんだろうな、とか考えました。

祈りの描写も好きです。マインドフルネスと決定的に違うのは、祈る対象の有無なんでしょうね。
何かしらこういう成分を日常に取り入れたいなと思いました。

グレートギャツビー

グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)l]

ギャツビーは緑の灯火を信じていた。年を追うごとに我々の前からどんどん遠のいていく、陶酔に満ちた未来を。
それはあのとき我々の手からすり抜けていった。でもまだ大丈夫。
明日はもっと速く走ろう。両腕をもっと先まで差し出そう。
……そうすればある晴れた朝にーー
だからこそ我々は、前へ前へと進み続けるのだ。流れに立ち向かうボートのように、絶え間なく過去へと押し戻されながらも。

手を伸ばしても届かなくて、どんどん遠ざかっていき、それでも追いかける.. そんな感じの人生が好きです。

わが心のフラッシュマンとアンガーマネジメント

アンガーマネジメント (日経文庫)

アンガーマネジメント (日経文庫)

おおざっぱな結論

  • 『アンガーマネジメント』では、「コアビリーフが脅かされたとき、怒りという感情が生まれる」としているが、『わが心のフラッシュマン』7章で語られているような、物語と関係性の行動モデルとしての「役割」という角度から同じ問題を捉えるはかなり有用かもしれない

それぞれの人が持つ固有の物語

  • 人はそれぞれ固有の物語を持っている。現実世界と物語とのずれが小さいと自我が安定する。ずれが大きいと自我が脅かされる

役割という関係モデル

ある人とまた別のある人の持っている物語が矛盾する場合、そこに衝突が発生する。 「どこまで私はあなたの物語を認め許容できるのか、逆にあなたはどこまで私の物語を認め許容できるのか」という争点に基づき、関係性の再構築が行われる。

私たちは「役割」という名前の、その対象とのあるべき関係性のモデル、テンプレを使って他者との関係を営むが、 初対面の人と会う時は、↑の関係性のモデルがまだ確立されていない。それゆえに居心地が悪い。

人は任意の「役割」を元に自分の振る舞いを、それに対する相手のあるべき振る舞いを模倣する。そうやってコミュニケーションが行われることにより、関係モデルはより強固なものになっていき、お互いに相手の立ち振る舞いを予期しやすくなっていく。

↑のような関係性は「距離感」という言葉に置き換えることもできそう

相手がどんな価値観であるか、相手は自分にどうしたいのか、を言葉にしてみてごらん。
たとえば、今、『課長の価値観』『自分の価値観』『田中さんの価値観』を言葉にしたよね。
付き合い方が明確になってきて、距離が取りやすくなった気がしないかい?
逆にそれがわからないと、どの距離で付き合っていいかわからなくなるから、ぎくしゃくしてしまう

物語が脅かされるとき、人の防衛本能が発生する

  • 人は自分の物語を補強してくれる人を愛し、脅かす人を憎む
  • ↑の状況は、『アンガーマネジメント』においてコアビリーフが脅かされる状況とよく似ている

急に具合が悪くなる

急に具合が悪くなる

急に具合が悪くなる

ここまで書いたことをまとめると次のように言えます。
選択とは偶然を許容する行為であるし、
選択において決断されるのは、当然の事柄ではなく、
不確定性/偶然を含んだ事柄に対応する自己の生き方であるということ。

2021年1月の緊急事態宣言のまっただ中で少し体調を崩し気味の中で、 この文章を読んですごく心に沁みました。。

結局の所、自分という存在は不確実性に満ちた世界における木の葉のようなもので、 待ったなしで突きつけられる現実に対して、答えがわからなくてそれでも決めないといけなくて、 という中で、果たして自分はどう在れるんだろう?どうしたら納得して生きられるのかな? ということを考える毎日です。

なんかねー。色々とままならいですよね、毎日が。 それでも生きていかないといけなくて。 そういう状況の中でこの本を読むとすごく沁みるのです。

キズナアイの久しぶりのライブが素晴らしかった件


Kizuna AI 2nd Live "hello, world 2020" Teaser Movie

神様ありがとう、今日はフェスです。

…というTシャツをROCK IN JAPAN FESTIVALで見て、後日通販で買った。

夏フェスには、まだ3回くらいしか行ったことがないのだけど、
定番のMCトークというものがあるっぽくて「最高に盛り上がっていい想い出作ろうね」
「お前ら、この日のため一年頑張ってきたんだろ」「来年も生きて会おうぜ」的なトーク
割と多いき気がする。そこから、見えてくる世界観というものがなんとなくある。

フェスに来ている人々は日々の日常の中で溜まりに溜まった、色々なものをエネルギーとして発散させて、夏の楽しい想い出に変えようと、頑張ってお金やスケジュールをやりくりしてきている普通の人が多いように見えてきて、なんか感じ入るものがあった。

今年はROCK IN JAPAN FESTIVALに初参戦した!会場の茨木のひたち海浜公園は緑が多くて蝉がめっちゃ鳴いていて、死ぬほど暑かったけどその分、グレープフルーツのスムージーがめっちゃおいしくて、音楽を聴いて沢山踊って、夜には花火に感動して、夏が満喫できて楽しかった。

踊りつかれて原っぱで寝ている人たちがいてそういう人たちはとても幸せそうに見えて、そういう体験をすることでだいぶ荒んでやさぐれていたメンタルが癒されて、ちょっとだけ自分の人生とか世界が好きになれた。よかった。。また来年も行きたい。

承認はバイキルト

昨年の12月から職場が変わり、新しい上司と仕事をしているのだけど、
なんというかコミュニケーションスキルが高めの人で働いているとすごく勉強になる。

他者との間合いをミリ単位で調整し、お互いが疲れない最適な距離を把握したうえで、
少しずつ関係を作っていくというにがすごく得意な人で、すごく相手を見て自分の
コミュニケーションを最適化してるのがわかる。

また、自分と異なる人と接した時の対応が素晴らしく、「あなたはこう考えるのですね。でも、僕はこういう風に考えます。でも、僕はあなたの考えを否定しません。そういう考え方も素晴らしいと思います」みたいな感じで柔らかく言えるしなやかさがある。

多分なんだけど自分は上司の中に、自分にはない人格のようなものを見出して
いてそれをすごいなと思っている。

ベゾスが言うように「賢しらにふるまうのは簡単だが、人にやさしくなるのは難しい」のです。
だから頭があがらない。

彼はトレイラーの横で立ち止まりました。私もそこで止まります。少しの沈黙の後、彼は私をしっかりと見て、やさしく穏やかにこう言いました、「ジェフ、いつかわかる日が来ると思うが、賢くなるよりもやさしくなるほうがはるかに難しいことなのだよ」
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